薬剤師の相談業務時に使える知識!「冬の備えについて」

薬剤師・認定薬剤師さんが日々行われている相談業務の中で、明日から話せる知識として、
今回は冬の備えについて詳しくお話したいと思います。

体を内側から温め“余分なモノを溜め込まない/溜め込みにくい体”へ

日に日に日中の日差しが暖かく感じるぐらいに、最近気温が下がってきました。
そして、冬季になると出てくる様々な症状がありますが、今回は冬になると太るをテーマに「冬の備え」について詳しくお伝えいたします。

「冬になると太りやすくなる…、ブーツが入らない!汗をかかなくなって代謝が落ちる…」
「病気でもないのに何となく調子が出ない!元気が出ない…」
こういった症状が寒さと共に訪れる…といった方も多いのはないでしょうか?

また秋から冬にかけての晩秋の時期は、収穫の秋とも言うよう、食べるものもとても豊富で美味しい季節でもあります。
冬太りに悩む方に特にお勧めなのが、体を内側から温めて、余分なものを溜め込まない、溜め込みにくい体にする事です。

まず体を温める働きのあるビタミン類をご紹介します。
さまざまな働きがあるビタミンですが、体を温める働きを助けてくれる種類もあります。

■ビタミンE、ビタミンB1:手足の細い血管まで広げ、血行を良くする働きがあります。
ビタミンEが多い食材:うなぎ、ナッツ類、なたね油、あまに油
ビタミンB1が多い食材:豚肉、玄米、そば、大豆
ビタミンCが多い食材:(ビタミンCは直接体を温める効果はないものの、寒さによるストレスを和らげる、毛細血管の健康を守ってくれるといったメリットがあります)
柑橘類、アセロラ、ブロッコリー、パプリカ、冬キャベツ

薬膳を効果的に活用しましょう

薬膳では、食材が体内に入ったときの性質を、寒、涼、温、熱の4つに分類します。
「4つの性質を『四性』といい、大きく分けて『寒・涼』が体を冷やす物、『温・熱』が温める食材です。

食材分類
【寒涼性】冬瓜、ナス、小麦、ごぼう、大根、きゅうり、トマト、豆腐、白菜、バナナ、梨、柿、そば、緑茶、塩、白砂糖など
【温熱性】生姜、シナモン、山椒、にんにく、羊肉、鶏肉、エビ、もち米、黒砂糖、栗、八角、長ねぎ、香菜、松の実など

寒涼性の食材は「水分のある野菜や果物が多く、体を冷やし余分な熱をとる」のに役立ちます。
一方で温熱性の物は「生姜やにんにく、ねぎなど辛い物や刺激のある食材が多く、血液の流れを良くして新陳代謝を促進」します。

体を温める栄養素・食材についてお分かり頂けたかと思いますが、実は間違えやすい物として、飲み物があります。
寒い時に体を温めるためにコーヒー・緑茶を飲む人も多いと思いますが、暑い国で育つコーヒーや製造工程で発酵していない緑茶・抹茶は、実は体を冷やす飲み物です。
寒い時に飲むとさらに体を冷やしてしまうので注意が必要です。

また砂糖は、原料の生育地域や精製方法によって体への作用が異なります。
北海道で育つ甜菜(ビート・砂糖大根)から作られる甜菜糖は体を温めますが、沖縄など暑い地域で生育するサトウキビを原料とし、さらに精製された白砂糖は特に体を冷やします。
同じくサトウキビからできている黒砂糖は、未精製でビタミンやミネラルが残っているため、体を冷やす作用は緩やかといわれています。

体の芯まで冷えて、体を温めたい!時に飲むと良いもの

紅茶、プーアル茶、ウーロン茶:製造過程で発酵しているお茶です。

タンポポ茶、タンポポコーヒー、ゴボウ茶:タンポポ茶やタンポポコーヒーは、タンポポの根を使用したもの。ゴボウ茶を含め、地中で育ったものから作られた飲み物です。

ココア、黒豆茶、赤ワイン:ポリフェノールの血管拡張作用により、血流を良くしてくれます。

日本酒、紹興酒:製造過程で発酵しているため、体を温めます。

ショウガ湯、ショウガ紅茶:ショウガに含まれるショウガオールが体を温めます。

体に余分なものを溜め込まないように、中から温め寒さに負けず元気な冬をお過ごしください!

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