薬剤師 相談業務に使える知識「蓄えやすい冬の脂質への予防策」

薬剤師が日常でされる相談業務の中で、患者様へ話せる知識として、
今回も「蓄えやすい冬の脂質への予防策」をお話したいと思います。

病気の発症をも誘発する多過ぎる脂質

12月が近づくにつれ、寒さが日に日に深まってまいりました。
冬になると体は寒さに耐えられるよう、気温が下がっていくにつれ、脂質を蓄えようとします。
体にとって脂質は大変重要ですが、多すぎる脂質は、体にとても負担をかけてしまいます。

また、怖いことに病気の発症をも誘発します。
この時期、蓄えやすくなる脂質について、「どのようにサプリメントを活用するべきか」をお伝えいたします。
こちらの話題は患者さんの関心も高く、専門の薬剤師として早速 明日から話すことができる話題です。

脂質異常についてを知る

血液中の脂質の値が基準値から外れた状態を、脂質異常症といいます。
脂質の異常には、LDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)、HDLコレステロール(いわゆる善玉コレステロール)、トリグリセライド(中性脂肪)の血中濃度の異常があります。これらはいずれも、動脈硬化の促進と関連します。


脂質異常症の診断基準

LDLコレステロールの高値の原因として、まず第一に食事中の飽和脂肪酸のとり過ぎが挙げられます
飽和脂肪酸は、肉の脂身(赤身ではなく白い部分。バラ肉、ひき肉、鶏肉の皮も含む)・バターやラード・生クリームなどに多く含まれます。
パームヤシやカカオの油脂、インスタントラーメンなど加工食品にも含まれています。

トリグリセライド(中性脂肪)の高値の要因としては、エネルギー量のとりすぎ、特に甘いものや酒・油もの・糖質のとりすぎがあげられます。
砂糖の入ったソフトドリンクを飲む習慣のある人も多い傾向があります。

これらを改めて運動や減量を行うことで、中性脂肪を下げることができます。
また背の青い魚に多く含まれるn-3系(ω-3系)多価不飽和脂肪酸には、トリグリセライド(中性脂肪)を下げる働きがあります。

HDLコレステロールの低値はトリグリセライド(中性脂肪)の高値と連動することが多く、その要因は、肥満や喫煙・運動不足です。
運動や減量・禁煙によりHDLコレステロールの上昇が見込まれます。

サプリメントや健康食品による効果的な予防策

では、例えばどのようなサプリメントや健康食品を用いて予防すべきでしょうか。
ここでは、亜麻仁について取り上げてみたいと思います。

亜麻仁は可溶性食物繊維を含み、ω‐3系不飽和脂肪酸の前駆体であるα‐リノレン酸の豊富な摂取源となります。
血小板凝集抑制作用と血清コレステロール低下作用があるからです。

亜麻仁に含まれる食物繊維は「その脂質低下作用にとって重要である」と考えられてきました。
高食物繊維食は胆汁酸の便排泄量を増加させ、主にコレステロールからの胆汁酸合成を高め、最終的にLDLコレステロール値を低下してくれます。

また、亜麻仁に含まれるα‐リノレン酸は血清コレステロールの低下に有用とされているのです。

亜麻仁とその誘導体である亜麻仁油(リンシードオイル)は必須脂肪酸のα‐リノレン酸の豊富な摂取源です。
α‐リノレン酸はエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)などのω‐3系不飽和脂肪酸の生物学的前駆体である亜麻仁のリグナン(lignand)成分は粘性食物繊維の摂取源でもあります。

最近では、サプリメントをはじめ、ごまに代用した形でのレシピや、亜麻仁オイルドレッシングなど、手軽に取りやすくなった亜麻仁。生活にうまく取り入れると良いですね。

上記話題について、是非明日からでも薬剤師業務中にお役立てください。

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