認知症のサプリメント療法について

薬剤師業務で日々ご説明できるような内容をメインにご紹介しております。
今回のBlogでは“認知症へのサプリメント療法について”をお伝えしたいと思います。

認知症とは、どういった症状なのか?

皆さんも「認知症」という言葉を耳にすることがあるかと思いますが、認知症は知的機能が徐々に障害される症状が特徴です。
記憶力、判断力、抽象的思考力が損なわれる他、意識障害を伴わない性格の変化が認められています。

認知症と診断される条件は、職業または社会生活に支障を来たすほど重大な機能低下が認められる場合です。
最も一般的な認知症はアルツハイマー病(AD)で、脳血管性認知症がこれに次ぎます。
他にアルツハイマー病に似ていることが多い認知症として、パーキンソン病、ハンチングトン病、ピック病、クロイツフェルト‐ヤコブ病、レビー小体型認知症があります。

予後は、アルツハイマー病と診断された後の平均余命で通常3~15年です。レビー小体型認知症は機能低下が速いことが特徴です。

 


アセチル‐L‐カルニチン

アセチル‐L‐カルニチンは体内で自然に生じ、L‐カルニチンに変換をされます。
またL‐カルニチンはアセチル‐L‐カルニチンへと変換され、体内でカルニチンは必要な形態に変換されます。

L‐カルニチンは血液脳関門を通過しません。カルニチンは食事(赤肉と乳製品)から摂取可能で、体内でアミノ酸のリシンとメチオニンからカルニチンが合成されます。
カルニチンは脂質代謝とエネルギー産生において重要な役割を果たします。

ギンコ(イチョウ葉)

イチョウは古代樹で1億年前から存在しています。市街地で植樹されることが多く、独特な扇形の葉をもちます。
イチョウ科で、使用部分は葉と種子で、葉が最もよく抽出物として使用されます。
認知症、加齢性記憶障害、間欠性跛行の治療にフランス・ドイツでは医薬品として用いられています。

レシチンとホスファチジルコリン

レシチン(Lecithin)はホスファチジルコリン(Phosphatidylcholine)と同じく、哺乳動物の細胞に存在するリン脂質の半分以上を構成するリン脂質です。

市販のレシチンは大豆を原料とし、ホスファチジルコリンの含量はわずか23%で、残りは他のリン脂質のことがあります。
ホスファチジルコリンは植物性、動物性の食物に豊富に含まれ、豊富な供給源は大豆、卵、筋肉です。組織中の主要なコリン含有物質の一つであります。

ホスファチジルコリンは細胞シグナル伝達に重要で、超低比重リポ蛋白(VLDL)の分泌に必須です。動物でコリンが欠乏すると肝臓、腎臓、膵臓の機能が冒されます。

ホスファチジルセリン

ホスファチジルセリンはヒトの体内で発生するリン脂質です。
ヒトの脳で最も豊富なリン脂質で、細胞の内部環境の維持、シグナル伝達、分泌小胞の放出、細胞間連絡、細胞増殖の調節などニューロン膜機能において重要です。
身体は複雑な一連の反応とエネルギー消費からホスファチジルセリンを合成できますが、ほとんどは食事を由来とします(たいていの食物に少量含まれる)

ビタミンE

ビタミンEは抗酸化特性をもつ脂溶性ビタミンです。
4種のトコフェロール(α、β、γ、δ)と4種のトコトリエノールで構成されています。
RRR‐α‐トコフェロール(旧D‐α‐トコフェロール)は自然発生する生物活性が最も高い形態です。

合成ビタミンEはall‐rac‐α‐トコフェロール(旧D,L‐α‐トコフェロール)です。
抗酸化特性をもつことを根拠に様々な健康状態の予防・治療にしばしば提案されてきました。
しかし、ビタミンE欠乏(まれであるが)の治療は別として、ビタミンEサプリメントを推奨1日許容量を超えて薬として用いた場合の効用について明確に証明されていません。
現在、様々な疾患、特に癌や心臓病の領域で研究が進行中です。

 

今回ご紹介をしたような専門知識を身に付けることで、効果的な予防や対処を行うことができます。
患者さんがすぐに取り入れられる知識をご提供することで、薬剤師としてより信頼を得ることができます。
このような専門知識を“いかに患者さんに対し、分かりやすく説明できるか?”が重要と考えます。


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