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サプリメントトピックス 2020.04.16 特集【ニンニク】「高い汎用性」「国産」で差別化、抗疲労、睡眠改善、血栓予防など、データ充実

滋養強壮や疲労回復素材として広く認知されているニンニク。豊富な食経験に加え、体感性の高さからブームに左右されない伝統食材として定着している。市場ではニンニク成分をより効率的に摂取できるサプリメントや飲料などの加工食品が流通。

「産地」「低臭化」「機能性」などを打ち出した商材も出回っている。機能性表示食品では昨年、“睡眠”、“抗疲労”をテーマにした『桃屋のいつもいきいき』(桃屋)が登場。飲料やヨーグルトに“かけるだけ”といった簡便性も訴求した。機能性研究では、ヒト試験での睡眠障害改善、抗疲労をはじめ、動脈硬化に対する抑制効果、歯肉炎に対する改善効果、AGEsの生成阻害作用、GABA分解酵素阻害作用などの報告も。健康食材としての新たなエビデンス構築に期待が高まっている。

世界が注目する健康食材Wヘルスクレームの機能表示も

植物素材37品種をピックアップした「デザイナーフーズ・ピラミッド」(米国立がん研究所)の頂点に位置するニンニク。がん予防や免疫力アップ、生活習慣病予防に対して有効な食品として世界的に注目を集めている。ニンニクの主成分は、アリシンとスコルジニン。アリシンは、ニンニク特有の刺激臭(香気成分)を有するほか、強い抗菌作用をもつ。スコルジニンは、ビタミンB 1の働きを高め、疲労回復作用などをもつ。

機能性研究では、ヒト試験での抗疲労や睡眠障害改善、抗ストレス機能をはじめ、動脈硬化抑制効果、歯肉炎に対する改善効果、AGEsの精製阻害作用、GABA分解酵素阻害作用が確認されている。機能性表示食品では昨年、熟成にんにくエキスを関与成分とした『桃屋のいつもいきいき』が登場。「睡眠」「抗疲労」に対する2 つのヘルスクレームをうたった。

「加工食品」「海外案件」に需要国産回帰の動きも

本紙がサプライヤーにアンケート調査を行ったところ、ニンニク市場は「伸長している」と回答した企業が多く、その背景には「健康食品や加工食品の需要増」「新型コロナウイルス対策とみられる需要増」「外食産業からの引き合いが好調」「ショウガや卵黄、黒酢などの健食素材と組み合わせたサプリメントが好調」等の回答があった。

昨今の市場傾向については、「輸入品から国産に回帰する動きが広がっている」「青森産の価格高騰に伴い、全国的にニンニク栽培が増加した」「青森県の収穫量は20年間大きな変動はないものの、価格は直近5 年間で2.4倍に高騰した」「近年の高値取引状況を受け、増反傾向にある」「海外26ヵ国に輸出している。料理素材としての黒ニンニク(青森県産6 片種)の評価が高まった」「スペイン産の輸入増」のほか、「大きな価格変動リスクを避けるためにも、原料の安定供給と価格の安定化が今後のカギ」といった回答もあった。

独自の加工技術で「高い汎用性」「低臭化」「低コスト化」実現

現在市場に流通するニンニクは国産品のほか、中国やスペインからの輸入品が出回っている。平成30年度野菜生産出荷統計によると、国内のニンニク収穫量は全国で2 万,200 t 。青森県が1 万3,400 t で全体の66%を占めている。このほか、北海道(796 t)、香川県(582 t)、鹿児島県(376 t )などで生産されている。外国産は中国(2万,659 t)が最も多く、次いでスペイン(1,363 t)が多い。(財務省の貿易統計)こうした中、サプライヤー各社ではニンニクの産地や栽培法、独自の加工技術による低コスト化、汎用性の高さでの差別化提案を行っている。

全国有数のニンニク産地・青森県田子町にてニンニク事業を行う富士産業㈱は、青森産の福地ホワイト六片を使用した原料供給や各種OEM事業を展開。アリシンを10~17mg/g含有するパウダー製品『ニンニクエキス末FJI -114』のほか、低コスト製造を実現する『ガーリックエキス』『エキスパウダー』など、「産地仕入・産地加工」を打ち出した提案に注力している。『ニンニクエキス末FJI -114』は、独自の加工技術でアリシン高含有のパウダー化と低臭化を実現。疲労回復や殺菌抗菌作用、冷え性改善、ビタミンB 1吸収力Upなどが期待できる原料として、健康食品・サプリメント用途での提案を本格化している。

 

出典:健康産業新聞