【薬剤師 相談業務時の知識系】患者様からの相談の多い“不眠症”について

本日も認定薬剤師/薬剤師さんが患者さんとの相談業務時に使える知識コンテンツとして、「不眠症について」掲載をしたいと思います。
相談業務の中で、不眠に関するご相談は多いのではないでしょうか。

不眠症とはどういったものか?

不眠症とは、「睡眠の質がよくないこと」を総称し、使用している病名となります。
睡眠の質がよくない、不良な状態であることを定義しています。

「よく寝ることができた!」
「すっきり起きれた!」
「寝起き時に疲れがない状態」
というのは、現代ではなかなかないのではないでしょうか。

・眠れた気がしない…
・起きても、とにかく眠い!
・何故か、すっきりしない…
・朝からとても疲れている…
・寝てもすぐに目が覚めてしまう… などなど

さまざまな不眠の症状を訴える患者様が増えているようです。

情緒および身体的に満足のいく状態でいるには、十分な睡眠が大切です。
短い時間であっても、長い時間であっても、満足のいく睡眠であることは、1日が始まる朝の気持ちよさに大きな影響があるといえます。

不眠症には一過性と慢性のものとに分かれる

私達が通常、必要とする睡眠量は多くは遺伝に左右されます。
一晩4時間でスッキリ起きることができる方がいる一方で、10時間横になっていても「寝た気がしない…」というように非常に幅が広く、一概に言えないのも特徴的です。

睡眠について平均すると、約7.5~8時間だといわれています。
そして、不眠症は大別すると一過性(時折起きる)のものと慢性のものとに分けることができます。
一過性の不眠症は一般に2週間以内に収まり、慢性(または反復性)の不眠症はより長い期間症状が続きます。

慢性不眠症と診断されるのは、入眠困難や睡眠持続困難が認められる場合や、少なくとも1カ月間の回復が促進されない場合をもって診断されます。

睡眠の構造について

正常な睡眠はレム(急速眼球運動)睡眠とノンレム睡眠の2相で構成されます。
入眠後はノンレム睡眠となり、その後レム睡眠に入リます。ノンレム睡眠はさらに4段階に細分されます。

第1段階: 筋弛緩、緩やかな呼吸、脈拍減少を特徴とする半ば意識がある状態。
第2段階: 軽い睡眠。
第3、第4段階:「徐波睡眠」、「δ睡眠」または「熟睡」。レム睡眠
第5段階: 急速眼球運動または夢を見る睡眠。

睡眠中はノンレム段階とレム段階が繰り返し起こります(一晩4~6サイクル以下)。
夜の早い時はδ睡眠が優位を占め、夜が深まるにつれてδ睡眠の時間は短くなり、レム期が長くなって優位になります。

また、睡眠構造は年齢とともに変化します。

幼少児: 睡眠時間が長く(16時間/日)、睡眠周期が短い(レム群発からレム群発まで60分)、レム睡眠に費やされる時間が長い(50%)といった特徴があります。
成人: 睡眠時間は7~8時間、通常の周期は90分で総睡眠時間の20%がレム睡眠になります。
高齢者: 睡眠時間は短く(6時間)、周期が分断され(レム群発からレム群発まで30分~2時間)、徐波睡眠に費やされる時間が短いです。

睡眠によって回復するには睡眠周期が中断することなく、4~5回繰り返される必要があります。
数日連続して、睡眠の質や量が不十分であると睡眠負債の累積が生じることになります。

次回は、普段の薬剤師業務で話せる「不眠症の原因」について、詳しくご説明いたします。

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